令和7年12月15日から電子申請可能な警察行政に関する手続きが大幅に増加しました。
軽自動車を購入したり、保有者の住所が変わったりした際に必要となる「軽自動車の保管場所の届出(車庫届出)」もe-Govサイトから簡単に行うことができます。
電子申請を活用すれば、警察署に出向くことなく、事務所のPC上で完結させることができます。
今回は、実際に「軽自動車の保管場所の届出」を電子申請(e-Gov経由)でやってみた体験をもとに、仕組みやメリット、手続きのポイントなどをご説明します。
1.軽自動車の保管場所の届出とは
まず基本的な仕組みから確認しましょう。
「軽自動車の保管場所の届出」は、軽自動車1を保管している場所(車庫)を警察署に届け出る手続きです。いわゆる「自動車保管場所証明(車庫証明)」と呼ばれるものに近いですが、普通車(登録自動車)2の車庫証明とは制度が少し異なります。
普通車の自動車保管場所証明は、「車庫をもっている事を証明」するために自動車登録手続きの前にあらかじめ申請します。
軽自動車の保管場所の届出は「どこに車を置くか」を新規検査や名義変更などの手続きの後に届け出る手続きです。
- 普通車の場合:「自動車保管場所証明書」の交付が必要(登録前に必須)
- 軽自動車の場合:「軽自動車の保管場所の届出書」を提出(登録後に届出)
届出先は、保管場所の位置を管轄する警察署になります。
普通車も軽自動車も手続が必要のない(適用除外)地域があります。3
特に軽自動車は届出が必要な地域が一部の大都市に限られますので、事前に管轄の警察署に確認しましょう。
以下の記事は自動車保管場所証明申請が不要な地域、軽自動車の保管場所の届出が必要な地域、管轄警察署の地域別一覧です。ご参照ください。
軽自動車の保管場所の届出は、新しく軽自動車を取得した場合や使用の本拠地を変更した場合に提出する必要があります。
届出を怠ると、罰則を受ける可能性があります4ので、忘れずにできるだけ早めの届出を心がけましょう。
保管場所証明・届出手続き全般については以下の記事をご参照ください
e-Govとは

【リンク e-Govポータルサイト】
e-Govと書いて”イーガブ”と読みます。
e-Govとは「オンライン上であらゆる行政に関するオープンデータや行政情報にアクセスでき、電子申請で申請手続きを行えること」をコンセプトとする、デジタル庁が運営する「電子政府の総合窓口」のことを言います。
IT技術を行政の手続きに取り入れて、住民や企業の書類作成や申請の手間を減らし、手続きを分かりやすく便利にする仕組みです。あわせて役所側の作業も整理して、ムダを減らし、スムーズに運営できるようにします。
e-Govポータルサイトから紙によって行われている申請や届出などの行政手続を、
インターネットを利用して自宅や会社のパソコンを使って行えます。
これまでの軽自動車の保管場所の届出は警察署の窓口に出頭して紙書類を提出する必要がありましたが、現在では「e-Gov」という政府共通のオンライン申請システムから電子的に手続きができるようになりました。
自動車関連では、「軽自動車の保管場所の届出」や「自動車保管場所の変更届」、「制限外積載許可」などが順次対応しており、今後さらに利用範囲が広がることが期待されています。
電子申請を行うメリット
実際に使ってみて感じた電子申請のメリットは、以下の点です。
- 窓口に行く必要がない(自宅・事務所から完結)
- 申請の進捗をオンラインで確認できる
- 書類の誤記や不足をオンラインで補正(手直し)できる
- 24時間いつでも申請可能
自動車登録を専門とする行政書士としては、遠方の警察署へ行く手間や依頼者の申請データを電子で管理できるため、業務効率の向上が期待できます。
申請にあたってデメリットというほどでありませんが、改善を期待したい点もございました。
実際に使用してみて改善してほしい部分や、気付いたことなどは電子申請で注意すべきポイントにて後述します。
e-Govを利用するための準備
e-Govを利用するには、多きく分けて2つの作業が必要となります。
アカウントの作成
e-Govの各種サービスを利用するためには、まずアカウントの作成が必要です。
アカウント作成時には、メールアドレスと本人確認のための情報入力を行います。
e-Govではe-Gov独自のアカウントだけでなく、GビズIDやMicrosoftアカウントとも連携させることができます。
連携させたGビズIDやMicrosoftアカウントから電子申請用のアプリケーションにログインすることができます。
e-Gov独自アカウントを作成
最も基本的な方法です。e-Govのサイトで利用者登録を行い、メール認証を経てログインが可能になります。
e-Govのアカウントの作成方法は以下のサイトを参照ください。
【リンク:e-Govアカウントの取得】
【リンク セコムトラストシステムズ株式会社:行政書士電子証明書のお申込み】
GビズIDのアカウントと連携
すでにGビズID(法人・個人事業主向けの行政手続き共通アカウント)をお持ちの場合、そのIDを使ってe-Govにログインできます。
新たにアカウントを作成する手間を省けるのが利点です。
GビズIDを取得済みの方は、GビズIDを連携することでe-Govにログインできるようになります。
ログイン時には二段階認証が求められます。
IDとパスワードのほかに、メールやスマートフォンアプリで送信される確認コードを入力することで、セキュリティを確保する仕組みです。

【リンク GビズID】
マイクロソフトアカウントと連携
個人利用者であれば、Microsoftアカウント(Outlook、Hotmail、Office365など)を使ってログインすることもできます。
これにより、個人ユーザーでも簡単に電子申請を始められます。
【リンク セコムトラストシステムズ株式会社:行政書士電子証明書のお申込み】
アプリケーションのインストール
e-Govからの電子申請は、電子申請専用のアプリケーションを通じて行います。
そのため、まずはご使用のPCまたはスマートフォン等にアプリケーションをダウンロードし、インストールする必要があります。
インストールの方法やブラウザの設定方法などについては以下のサイトの案内をご確認ください。
【リンク e-Govからの電子申請の利用準備】

e-Gov電子申請の実際の流れ
実際に「軽自動車保管場所の届出」を電子申請で行ってみました。
ご紹介する方法はGビズIDを利用した電子申請となります。
全体の流れは次のようになります。
e-Gov電子申請トップからログインする
e-Govポータルサイトにアクセスしてからe-Gov電子申請のトップページを開きます。
【リンク e-Govポータルサイト】

「ログイン」ボタンをクリックし電子申請アプリケーションにログインします。

「e-Gov電子アプリケーションを開く」をクリック

「GビズIDでログイン」を選択

GビズIDの登録メールアドレスとパスワードを入力します。

その後2段階認証として、スマートフォンアプリで認証します。
※メールアドレスに送信されるワンタイムパスワードによる認証方法もあります。

手続きを検索し申請情報を入力する
認証に成功すると自動的に「マイページ」TOP画面へ遷移します。
上部のタグから「手続検索」をクリック。
検索窓に「軽自動車の保管場所の届出」と入力し検索。


表示された手続はブックマークすると、次回から検索の手間がなくなります。
「申請書入力へ」をクリック

申請者情報(氏名・住所・連絡先など)を確認
初期状態ではアカウント情報が表示されています。
「申請者情報設定」や「連絡先情報設定」により、任意の情報に変更することが可能です。

届出書の内容の入力します。
下にスクロールしますと、軽自動車の保管場所の届出に記載する情報を入力する欄がでてきます。
通常の手続と同様の要領で入力していきます。
提出先欄には〇〇警察署長と”長”を入力することを忘れないように注意しましょう。
提出先の管轄警察署は以下の記事をご参照ください。

添付書類(配置図や保管場所の使用権原を示す書類など)をアップロードします。
「書類を添付」をクリックします。

スキャンした地図・配置図・使用権原疎明書類・委任状などを添付します。
”この書類を提出”の☑ボックスの✔を忘れないようにしましょう。

委任状ファイルなどを追加する場合は「追加」ボタンをクリックすると新たなフィールドが追加されます。

「この書類を提出」のチェックボックスを✔
書類名を入力しファイルをアップロードします。
最後に「添付ボタン」をおします。

提出先を選択し内容を確認する
「提出先を選択」ボタンをクリック

大分類と中分類を選択します。
大分類は申請予定の都道府県警察を選択します。
中分類は申請予定の所轄警察署を選択します。
最後に「設定」をクリックします。

「内容を確認」ボタンをクリックします。

申請内容確認ページに遷移します。

申請書を提出する
下にスクロールし申請内容を確認したうえで「提出」ボタンをクリックします。

送信後は、到達番号が発行され、審査状況をマイページの直近の案件 のステータス欄で確認できます。
個別の申請についてより詳細な状況を確認したい場合は到達番号をクリックすると個別案件の申請案件情報ページに遷移します。
申請状況が変わりましたら申請案件に関する連絡が通知されます。
テータスは審査状況に応じて”到達”、”審査中”、”補正”、”審査終了”などと変更されます。

“補正”が発生した場合は補正通知が送信されてきます。
指示に従って補正を行ってください。
審査が完了すると、ステータスが”審査終了”に変更されます。
対象の申請の到達番号をクリックすると申請案件状況ページに遷移します。

審査終了のメッセージを選択し、受理番号を確認して届出手続きは完了です。
審査終了の通知を保存する場合は「メッセージを保存」をクリックしテキストファイルをダウンロードします。
受理番号などが記載されていますので、当事務所ではご依頼者へ届出完了報告資料として引渡しております。

電子申請で注意すべきポイント
体験してみて気づいた注意点がいくつかあります。
- 画像添付のファイルサイズ制限はありますが、1ファイル50MB以下で、99ファイルまで送信可能と十分な容量ですので、軽自動車の保管場所の届出申請では問題になることはないでしょう。
- 添付ファイルの名称が長すぎると添付することができません。ファイルサイズはそれほど大きくないのにエラーが出る場合は、ファイル名称を確認してみましょう。
- e-GovアカウントやMicrosoftアカウントでログインし申請する場合は、別途電子証明書を取得する必要があります。 アプリケーションの仕様としてはマイナンバーカードや商業登記の電子証明書も使用可能のようですが、行政書士として申請する場合は行政書士電子証明書を使用すべきです。新たに取得する場合は、取得手続きに時間と費用が掛かるので注意が必要です。
- 「自動車のサイズ」や郵便番号、電話番号などは半角入力、「使用の本拠の位置」や「保管場所の位置」、「届出者の住所」は数字も含め全角での入力など入力作業に癖があり慣れが必要となります。
- 進捗情報や手続き終了を確認する通知に、到達番号や受理番号と、届出の内容(自動車の使用者や車台番号等の情報)とがまとめて表示されないため、大量に申請している場合、どの依頼者の申請であるか一目で確認することができないのが不便です。
- 手続き完了時に審査終了のメッセージはテキストファイルとしてダウンロードができますが、このテキストメッセージにも受理番号と、届出の内容(自動車の使用者や車台番号等の情報)とがまとめて表示されません。 届出者の氏名や車台番号を追記するなどして管理する必要があり多少手間がかかります。
- 同一届出者の大量の申請を一括して申請する仕組みがないため、1台ずつ入力を行う必要があります。
- e-Gov対応となった警察手続関連には、現時点ではAPIが整備されていないため、入力の自動化やほかのアプリとの連携が難しい状況です。
- 届出に補正がある場合は、補正通知が届きます。 この場合は、申請案件情報に「補正」ボタンが表示されます。 「補正」ボタンをクリックすると補正画面に入りますので、入力内容を訂正し、補正すべき書類を添付して申請します。 まれに、補正の発出方法により、補正ボタンが表示されず、補正手続きを進めることができない場合が確認されています。 この場合は、システムの仕様上、一旦申請を取り下げて再度申請するしか方法がなく、到達番号や警察側の受付番号も新しい番号が附番され、日を跨ぐ場合は届出日も変更となります。 個人的には、補正の指示がある場合は、手続きの同一性が保たれるようにシステムの改善をお願いしたいと感じます。
これらの点を踏まえて準備しておくと、スムーズに手続きが進められます。
まとめ
軽自動車の保管場所の届出は、従来の紙申請に加え、e-Govを利用した電子申請でも行えるようになりました。
電子申請のメリットは大きく、今後主流になっていくことが予想されます。
- 届出は取得時に、または変更から15日以内に
- e-Gov経由でオンライン申請可能
- GビズIDまたはMicrosoftアカウントでもログイン可
- 二段階認証でセキュリティも安心
行政書士法人CJTでは、電子申請のサポートや操作方法のご案内も行っております。お気軽にご相談ください。
お問い合わせ・ご依頼はこちら
軽自動車の保管場所届出(e-Gov電子申請)について、
「この場合は届出が必要?」「添付書類は何を出す?」など、少しでも不安があればお気軽にご相談ください。
状況を伺ったうえで、必要な手続きと進め方をご案内します。
- このページでは道路運送車両法第3条に規定する自動車の内、二輪の軽自動車を除く軽自動車を「軽自動車」と表現しています ↩︎
- このページでは道路運送車両法第四条に規定する登録の対象となる普通自動車、小型自動車、大型特殊自動車を総称して「普通車」と表現しています。 ↩︎
- 自動車の保管場所の確保等に関する法律附則第2項 ↩︎
- 自動車の保管場所の確保等に関する法律第17条第3項第1号 ↩︎









